集団で一つの活動を行う際に、必ずぶち当たる壁があります。
それは、活動に参加してもらいたくても、”参加できない人”が出てくるということです。
- 活動内容が、身体レベルにマッチしないから。
- 参加拒否があるから。
- 本を読んでるし、とりあえずそっとしておこう…。
このようなことを理由に、集団から取り残された人はいないでしょうか?
これまでの臨床での支援を思い返してみると、思い当たる節があるのではないでしょうか。
ではこのような場合、どのようにして対象者に参加を促せば良いのでしょう。
鉄則 其の一 「心身機能を言い訳にしない」
- Aさんは麻痺があるから、ダイナミックな動きを伴う活動には参加しづらい。
- Bさんは他者とのコミュニケーションが苦手だから、集団には入れない。
- Cさんは一つ一つの動作に時間がかかりすぎる為、今回のレクでは見ててもらうだけにしよう。
筆者は、このような理由で取り残される人でも、レクリエーションに参加できるようまんべんなく配慮することが必要だと考えています。
もちろん、専門職でなければ具体的な心身機能の把握というのは難しいこともありますが、それでも対象者がどのようにすれば参加できるか、真摯に向き合い考えることが必要だと考えています。
- Aさんは麻痺があるけれども、自助具を使えば、あるいは活動の難易度を下げれば同じように参加してもらえるかもしれない。
- Bさんは、コミュニケーションが苦手だけど、他者との交流が少ない「ゲームの採点係」からなら参加してくれそう。
- Cさんは動作は遅いけど、重力を利用すれば物は早く動く。これを利用して、少ない身体の動きでも迫力のある動きが得られるゲームを考えてみよう。
対象者には、参加を拒否する権利はありますが、それを受け入れてばかりいては、支援が進まないこともあります。
どうすれば、レクリエーションへの参加を促すことができるか。
対象者の性格・心・身体・認知・対人関係etc…広く様々な部分に注目し、対象者を解釈しようとすることで、そのきっかけは見えてくるのかもしれません。
鉄則 其の二 「ピエロになるべし」
レクリエーションを実施するにあたって、円滑に進行するための司会やリーダー的な存在が必要になってくると思います。
では、このリーダーが物凄くテンションが低く声も小さいと、どう感じるでしょうか。
恐らく、明るく快活に振舞うリーダーの方が、場の雰囲気は盛り上がるはずです。
人のやる気や気持ちというのは、誰かのそれに引っ張られます。
リーダーにやる気がないと、対象者はその雰囲気を必ず察知します。
リーダーを任命されたあなたは、人前でおどけたり、リアクションを取ったりするのが苦手かもしれません。
しかし、あなたのテンションは連鎖的に伝染します。
あなたが緊張していると、あなたを見ている人も緊張します。
鉄則 其の三 「まずはスタッフを盛り上げる」
これは、鉄則 其の二にも繋がることですが、場の空気がシーンとしていたら、せっかくの楽しいレクも楽しさが半減します。
あなたが、レクを補助するスタッフであれば、拍手し、応援し、声援を送り、少しでも雰囲気が盛り上がるよう努めましょう。
そして、あなたがリーダーであれば、声はできるだけ大きく、迫力があり、メリハリのある進行に努めましょう。